税理士との契約で訪問回数は重要か?会社の状況で違ってくる

税理士との契約で訪問回数は重要か?会社の状況で違ってくる

税理士と契約するときに重要になるのが、どれくらい関与してもらうかです。

 

具体的には訪問回数が年何回になるかですね。最近はテレビ電話が簡単にできるので訪問するという必要性も無くなりつつありますが、直接顔を合わせて話をするのは今でも大切だと思っています。

 

訪問回数が増えてくると当然料金も高くなります。それだけ手間がかかりますからね。

 

今回は料金の指標の一つでもある訪問回数を考えてみます。今担当してくれている職員さんとも話をして税理士事務所の職員目線でのお話もできると思います。

 

パターンとしては毎月訪問、数ヶ月に一度訪問、年一回訪問の3つですね。会社の規模や内容、税理士に求めることで変わってくるのですが、自分に見合ったスタイルで契約できればいいと思います。途中で変更することもできますから、一回やってみて合わなければ税理士に相談してみましょう。

 

 

年一回訪問の場合

税理士に決算と申告だけをお願いするパターンです。この契約は料金が一番安くなります。訪問はそれだけ手間と時間がかかりますので、それを省くだけで料金を抑えることができます。とにかく安く抑えたい人は年一回訪問ですね。最近は郵送だけのやり取りというところもあるようですが、せめて一回くらいは外部の人の意見を聞いてみるといいと思います。

 

自分で会計ソフトを使いこなすことができる人とできない人とで年一回の契約に大きな違いが出てきます。

 

会計ソフトを使える人

自分で売上や領収書の入力作業ができる場合は年一回の訪問でも大きな問題は出てきません。

 

入力だけでなく、入力した結果つまり試算表を読むことができると、今年の税金はこのくらいと想定することができるので、申告のために税理士を利用するくらいで問題ありません。

 

もし銀行借り入れをすることになって試算表が必要になったとしても、自分の会計ソフトからプリントアウトすればいいのでスピード面でも心配ありません。

 

とても優秀な自営業者だと思います。

 

会計ソフトを使えない人

経理や会計についての知識もなく、とりあえず領収書の保管はしているだけという人は注意が必要です。

 

決算申告をするときに領収書の束や通帳のコピー、売上関係の書類を税理士に渡して終了ということもあるでしょう。

 

 

これだと税理士や会計事務所の方も大変です。資料は紙ベースなので何とか形にすることができますが、納税者側から情報提供が無いと節税や納税資金まで対応できません。

 

年一回の対応だと、既に決算日は過ぎていることが多いのでできる節税は限られています。

 

当の納税者本人も自分で計算をしているわけではないので、税額がいくらになるかもわかりません。なんとなく赤字か黒字かくらいはわかるかもしれませんが、税理士から納税の説明を受けた時に想像以上の金額になるということもあります。

 

そのうえ、税務上の届け出が必要な場合があります。例えば、消費税の簡易課税の届出がそうです。厳密に締め切りが決まっている届出に関しては事前にシミュレーションをして検討するのですが、年一回の対応ではシミュレーションもできません。

 

職員さんに聞いてみた

 

年一回というのは楽ではありますが、わずか数日程度で決算を一気に組んで、申告までやらないといけないので時間的な制約が多かったです。

 

まずは申告期限を守る必要があるので、優先順位はまずはスピード。

 

税額が出たときはどうやって説明するかとか、納税資金があるかとかまではゆとりがないです。

 

 

節税対策もやりようが無いので、もらった資料をそのままキーパンチするだけになってしまいます。一応個人的なレシートとかが無いかは見ていきますが、時間が無いので紛れることがどうしても出てきます。

 

仕事のクオリティという面では高いモノではないですね。スピード重視です。


 

やっぱりそうですよね。締め切りが迫っている中でクオリティを出すっていうのは大変です。他にも仕事を抱えているようなので、時間が無いというのは相当厳しいですよね。

 

数ヶ月に一回訪問

毎月でなくてもいいけれど定期的に情報が欲しいという方は数ヶ月に一度の訪問を希望してみましょう。

 

毎月訪問よりも顧問料が少なくなることが多いです。税理士に渡す資料もゆとりをもって作れますし、決算月が来るタイミングで来てもらえば直前の節税対策や見込み税額を調べてもらうこともできます。

 

経理や税務面を見て欲しい場合に数ヶ月に一回訪問を希望しましょう。毎月訪問するほど経営面まで話をするつもりもないし、決算だけだと節税案がわからないということがあります。

 

毎月の会計処理や決算対策、節税提案が欲しいということですね。定期的に試算表の説明をしてもらえるので、経営状態のイメージを掴みやすいですね。

 

職員さんに聞いてみた

 

数ヶ月に一回の訪問が気持ち的にも業務量的にも安定感を持って仕事ができます。

 

年一回にドバっと作業するのではなく、定期的に仕事をするので納税者にも説明や今後の展望を伝えることができました。

 

事前に納税者と着地点を打ち合わせできるので対策をすることができましたよ。毎月訪問に比べると突っ込んだ話は出来ませんが、税金の話をする分には十分な時間は確保できていたと思います。


年一回の決算のためにひさすら作業するというのに比べるとだいぶ楽になるようです。チェックにもゆとりをもって取り組めるのでクオリティも維持できますし、節税方法も相談する時間ができますね。

 

毎月訪問

一番多い契約形態かもしれませんね。毎月訪問の場合は月次試算表から経営に対するアドバイスをします。

 

税務的な対策ももちろんしますが、作成した月次試算表から現状の経営状態や今後の展望を代表者からヒアリングして決算予測を立てたりします。

 

経営状況をプロの視点で確認してもらえたり、経費の使い方や無駄な点があるか、経営者が知っておくべき点や同業他社の情報、代表者が自分なりに勉強して考えたことが正しいかの確認、社内外でのトラブルの解決法など税務以外にも税務・経営コンサルティングを受けることができます。

 

毎月話すことが無いという場合であっても、税理士や担当者と雑談や愚痴の一つでも言っているだけでストレス解消になる人もいます。経営者は孤独ですからね。

 

職員さんに聞いてみた

 

毎月訪問は緊張しました。毎月話のネタを考えていかないといけないのです。月次試算表の説明だけで時間を潰すこともできるのですが、やっぱりお客様が今後の参考になるような話はしたいですからね。

 

でも毎月訪問だと会計事務所側も社長の考えを毎月知ることができるので、社長の考えに沿った話や提案をすることができますよ。

 

特に事業規模を拡大させていきたいという場合は税務だけなく資金繰りや融資も検討することが多いですから、顧問料がかかっても毎月税理士と打ち合わせをして自分の会社のイメージを固めておくといいです。


 

毎月訪問になると相談することも増えているわけですから、職員さんも緊張するようです。毎月いろいろ考えて来てくれるんだと知ったときはこの会計事務所に依頼してよかったなと思っています。

 

まとめ

税理士や会計事務所の訪問頻度の違いはいかがでしたでしょうか。どれがおすすめかと言われればやっぱり毎月訪問です。それだけコストは高くなりますが、毎月話をすれば何かしら参考になることはあります。たとえ無かったとしても税理士や担当者と雑談するだけでもストレス解消になったりしますから、無意味ではないはずですよ。

 

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