1年サイクルの中で税理士に依頼するタイミング

一年を通して税理士を依頼するタイミングっていつ?

独立して事業を始めた人や規模が大きくなってきてそろそろ税理士にお願いしようかなという段階になったとき、できる限り損をしないように税理士と付き合いたいですよね。決算を組む期間は1年間ですので、その1年間をどれだけ良いものにできるかは着手スピードの速さがモノを言います。

 

実のところ、早く税理士に依頼するのと直前に依頼するのでは料金にあまり差がありません。むしろ申告直前に依頼したほうが料金が高くつく可能性があります。サービス内容も時間的な限界があるのでいつお願いしたほうがいいのかのタイミングは考えた方がいいでしょうね。

 

新しく事業を始めるとき、事業年度開始のとき

税理士にお願いするタイミングとしては一番いいです。期をまたいで新年度からお願いするというのももちろんオッケーです。

 

事業開始の準備期間から付き合うのもいいですし、独立した後すぐでも大丈夫です。資料の作成方法から管理までの指導もじっくりできますし、一年を通して決算までにどのような数字を作っていくかをじっくりと相談することができます。代表であるあなたはその数字を作るために頑張って仕事に打ち込むことができます。

 

税理士と毎月契約をしていれば月次報告を受けて、事業が順調かそうでないかを判断するヒントになります。節税対策としても一年間様子を見ながらなので適切なものを提案することができます。

 

職員さんに聞いてみた

 

事業開始時や期首からの依頼だと安心して業務に打ち込めました。新規のお客様だと会社の状態や社長の考えを知るには一日二日話した程度ではわかりませんからね。社長が何を考えてどうしたいのかをくみ取って、働生きやすいように提案をしていくには時間は多ければ多いほどいいです。

 

このタイミングが料金的にも一番いいと思います。毎月顧問料を支払っているのなら、サービス提供も期間相応にできますからね。


 

 

既に事業開始していて期の途中

事業開始時に比べるとやや劣りますが、まだ十分挽回できます。資料の整理状況から帳簿の確認、指導ができます。

 

決算日までは時間があるので間に合わせるには十分です。ただ、決算まで残された時間が少なければ少ないほどできることは限られてくるので、やっぱり早い方がメリットは大きいですね。

 

例えば、節税対策としてよくある4年落ちの自動車とかなのですが、これの購入タイミングとかも期末に近くなってくると節税効果が悪くなってくる場合があります。

 

こういった相談はやはり早い方がいいのです。もしかすると節税するタイミングを逃してしまうなんてことにもなりかねません。

 

 

また、事務所側の仕事としては、例えば1月から事業開始の場合に5月くらいから契約をしたとすると、1~4月分はサービス提供がありません。ただ、帳簿や領収書は1~4月分チェックして決算を組むのでその期間分の仕事はしています。目に見えないですけれどしっかり事務作業はしていますよ。

 

事務所によっては料金も契約期間前の1~4月分を請求してくる場合も出てきます。これは上記のような理由で、顧問的なサービスは出来ていないけれど、決算申告書を作成するプロセスで必ず契約前の期間を見ないといけないからなのです。

 

もし、サービスを受けていないのに請求されるかもしれないなんて嫌だというのであれば、事業の開始の時や期首に近いタイミングで契約をした方がいいですよ。

 

 

決算間際

決算終了直前になって依頼するときは、かなり注意が必要です。まずは、確定申告期限がすでに近いということ、決算間際になるとできることがほとんどないということです。

 

例えば12月で決算が来るという場合に11月末あたりから税理士と契約したとします。決算までは1ヶ月しかなく、代表と税理士は契約したばかりでお互いに知らないことだらけです。会社の状況を把握することに時間がかかり、どのような節税策や決算の数字のイメージを固めればいいのかがわかりません。

 

税理士側も何かを提案するというところまでできる時間の余裕があるかどうかは厳しいところですね。

 

決算対策や節税策っていうのは事業年度内にやらなければいけないものです。決算が過ぎてからできる節税っていうのは無いと思ってもらってもいいくらいですね。2ヶ月くらいあれば、一応できることもありますが、選択肢は少ないです。

 

決算終了後申告期限

決算期が終わって申告期限までの期間しか残されていない状態です。駆け込みでくるお客さんがかなり多いですね。でもできることって限られます。限られるうえに、申告期限には絶対に間に合わせたいのでその分の料金は上乗せになります。特急料金ですね。

 

通常の顧問料よりも安くなることはほとんどないでしょう。入力作業を自分でしているのであれば、まだ価格交渉ができるかもしれません。しかし、領収書があるという程度で仕分け作業などを税理士や会計事務所に丸投げする場合は料金の方も覚悟した方がいいでしょう。

 

税理士と契約していても年一回の契約をしている人も同じです。資料はまとめてもらえるでしょうけれど作業に必死でミスもどうしても出てしまいます。

 

節税対策もやりようがありません。出してもらった資料から決算書と申告書を作るだけで時間が来てしまいますからね。

 

まとめ

依頼するタイミングは事業開始時や期首にした方がいいですね。

 

料金的にも時間的にも税理士や会計事務所の職員としても早くからのほうがいいです。資料の作成度合いにもよりますが、年に一回だからと言って特別安くなるわけではないです。若干は安くなるかもしれませんが、短納期で依頼するにはそれ相応の費用が必要になりますよ。

 

自社の状況を把握したり、第三者の目で会社を見てもらうという点でも早い段階から関与を依頼する方がいいでしょう。

 

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